関西医科大学第二内科 関西医科大学
“いびき”の問題点
“いびき”は、単なる周りの人への騒音だけの問題ではありません。もっと重要な、“いびき”をかく本人に直接的な問題があるのです。なぜなら、”いびき”をかいているときは非常に呼吸が不安定になっています。特に睡眠時は、昼間の起きているときや運動時と異なり、鼻と肺をつなぐ通り道(気道)が不安定になっています。“いびき”をかく人は、この気道が狭くなっていて、その結果空気の通りが障害され、その雑音が”いびき”となって音になります。この時、狭いだけなら単なる”いびき”で終わりますが、人によっては気道が一時的につまってしまうことがあります。
すると呼吸はどうなるでしょうか。鼻から吸った空気は通り道がなくなり、途中で止まってしまい、肺へ空気が送られません。この状態が無意識の、睡眠中に起こります。もちろん、息が止まると人間は苦しくなります。目が覚める人もおられますが、多くの場合、無意識に目が覚めて息を吸おうと努力しています。こんな状態が一晩中、寝ている間に起こります。これでは、本人は寝ているつもりでも、身体は休まることができません。次の朝起きても身体がだるかったり、昼間に知らない間にウトウトしたり、人によってはやる気がないとか、さぼっていると思われこともあります。自分では十分睡眠をとっているつもりなのに、昼間にボーとしたり、やる気がでなかったりで、悩む人もいます。車の運転中に居眠りして交通事故を起こすこともあります。また、脳梗塞や心臓発作を引き起こすこともあると言われています。 ここまでくると、これはもう、りっぱな病気です。その害は、時として大きな社会的損害になります。でも問題は、皆さんがあまりこの”いびき”の病気の重大性に気がついていないことにあります。
 
 ここで心配があります。いったい”いびき”ってどうやって診断するのでしょうか。そして、“いびき”は治すことができるのでしょうか?
ご安心下さい。“いびき”の診断は可能です。また、“いびき”の治療も現代医療では十分可能です。
“いびき”の診断
 かなり大きな“いびき”をかくひとでも、自分で“いびき”を確認できる人は多くありません。そこで、“いびき”の時の呼吸の状態を正確に記録する装置(アプノモニター)を使います。睡眠時の鼻からの息の通り具合、胸部の呼吸運動の動き、もちろん“いびき”の音も記録します。これらの記録により睡眠時の呼吸の状態を知ることができます。
 この呼吸の記録で、1時間に10秒以上呼吸の止まっている回数を測り、10回以上の場合、睡眠時無呼吸症候群と診断し、治療の対象とされます。もっと詳しい方法として睡眠時の脳波も同時に測定し、”いびき”や無呼吸の程度を判定する検査もあります。
“いびき”の治療
 単純な”いびき”のみの場合、音の問題を除けばあまり治療する必要はありません。しかし、前述の無呼吸を伴う場合、特に、昼間や起床時に症状を認める場合は、積極的な治療の適応になります。
 基本的に”いびき”の治療は、鼻とのどの空気の通りをよくすることになります。そのためには、
1, 気道で空気が止まらないように、鼻から空気を補助的に送る(CPAP)
2, 手術で気道の通りを広くする
3, マウスピース、まくら等で、気道の通りをよくする
4, 肥満のある場合、体重を落とす
 等があります。
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