高血圧治療における最近の動向

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有田幹雄
和歌山県立医科大学看護短期大学部

高血圧治療の目的は単に血圧を下げるのみでなく高血圧による臓器障害の進展を予防することである。即ち、高血圧のみでなく個々の症例の有する危険因子の評価を行い、対応することが心血管系疾患の発症予防に重要である。軽症高血圧では一定期間、非薬物治療をおこない血圧上昇が統けば降圧薬治療を開始する。非薬物療法は食塩摂取量の制限、アルコール摂取量の制限、適度の運動、肥満者の体重減量である。米国合同委員会第5次報告(JNCV)ではこの他、カリウム、カルシウム、マグネシウムの適正な摂取と心血管系疾患の予防という観点から、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取制限と禁煙の必要性が強調されている。中等症および重症の高血圧では非薬物療法とともに降圧薬治療を開始する。
 薬物療法の指針では第一次選択薬としてはJNCVにおいても、WHO/ISHの軽症高血圧の管理指針においても、利尿薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、α遮断薬およびα・β遮断薬の6薬剤をあげている。これらの薬剤の作用機序と副作用を考え、個々の症例の病態にあわせて薬剤を選択していく。わが国では強力な降圧作用と副作用が少ないことなどから、カルシウム拮抗薬が多く用いられている。しかし、心血管系疾患の予防という点では問題点(特に短時間作用型カルシウム拮抗薬)も指摘されている。これらの報告をふまえ、高血圧治療の最近の動向について概括する。